代表挨拶
保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアム (HEASNET)

会長 小尾 高史
 ここ数年、情報通信技術の進化はかつてないスピードで進み、私たちの日常生活や医療現場の在り方を大きく変えつつあります。生成AIやIoT、クラウドサービスをはじめとする技術の導入と普及は、保健・医療・福祉分野の持続的な発展と社会の活力を支える基盤となっています。 新型コロナウイルス感染症の経験を通じて、遠隔医療・オンライン診療や医療データの安全な連携の重要性が一層認識され、診療所から大規模病院、調剤薬局、自治体・保険者等が連携する医療情報基盤の高度化が加速しています。医療情報ネットワークの整備、電子カルテの標準化やマイナンバーカード等による医療機関等でのオンライン保険資格確認等も着実に整備されつつあり、医療と福祉におけるデジタル化は「次のステージ」へと移行しつつあります。

 一方で、医療関連情報は極めてセンシティブであり、その利活用にあたっては個人のプライバシー保護とデータセキュリティの確保が何よりも重要です。サイバーセキュリティや認証基盤(JPKI、HPKI等)、医療・福祉分野のシステム運用ガイドラインの整備等の取り組みは必須であり、関係機関・団体との連携のもと、持続可能かつ信頼性の高い情報インフラの構築を推進することが喫緊の課題となっています。

 このような状況の下で、保健・医療・福祉情報セキュアネットワーク基盤普及促進コンソーシアム (HEASNET)は、大山永昭前会長のご尽力のもと、次世代ICカードや2階層PKI等の技術を生かしたオンデマンドVPN等の普及を通じて、保健・医療・福祉領域のデジタル化推進と安心・安全な医療ネットワーク社会の実現に貢献してまいりました。 今般、私が会長を引き継ぎましたが、より一層のデジタル化を進めるためには、引き続き新たな技術等を考慮した継続的な検討を行い、医療関係者、システムベンダー、患者等にとって安心して利用できるサービス創出につながる仕組み作りが必要となります。 本コンソーシアムは、今後も皆様と健やかで豊かな社会の実現に向けて取り組んで参りますので、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。